2本の柱

本活動には2つの柱があり、私達はこれらを大切にし活動を行っていきます。ひとつは野外(自然)での活動、もうひとつは仲間との活動です。

活動のための2本の柱

野外活動

野外活動は、子どもたちの心身に様々な影響を与えます。
ハイキングに出かければ、土の上を歩き、落ち葉を踏み、坂を登ります。木漏れ日の中、涼しい風が吹けば気持ち良いと感じたり、逆に寒かったり、ぬかるみでは気持ち悪いと感じることもあったり、感覚・感受性が豊かになります。
石や木の根、地面の凹凸も、最初は疲れても、慣れてくれば、体のバランスが良くなり、ひょいっと乗り越え、自然と体が鍛えられます。花を見つければ、なんて名前なんだろうと思ったり、見たことのない虫を見つけ観察したり、木の実が落ちていれば見上げてどの木から落ちてきたのか気になったりと、知的探究心も擽られます。川の中を歩けば、滑りやすい石や流れが早い場所もあり、遊びながら自分の身を守る判断力が鍛えられます。岩の上からの飛び込みは、スリルと楽しさに満ち、達成感を与えてくれます。

上で述べたことほんの一例で、時には大人の気づくことの無い、子どもだけのセンスオブワンダー(感性)で、自然から多くの事を気づき、感じ、学んでいます。
私達は、自然がすべてを満たしてくれるわけではないけれど、少なからず自然の中での体験が子どもの礎の一部を担い、その成長を助けることになる、と考えています。

仲間とのグループ活動

自然との向き合いと共に、人と関わり、思いやり、違いを知り、自分ひとりだけでは解決できない問題も乗り越えていきます。
こども自然教室では、インストラクターが全てを管理したり、子ども達を誘導したり、起こる問題をすぐに解決しません。
例えば歩くのが遅い子がいたとします。学年の大きな子たちは気づかずにどんどん先に進んでしまいます。インストラクターは少し我慢をして、気付くのを待ちます。気づいた時に自分たちの行動を振り返り、仲間たちとどう行動するかを話し合います。そこで、遅い子の荷物を持ってあげるのか、一番先頭にして歩いて行くのか、みんなで歌を歌って元気に楽しく進んでいくのか、もっと早く歩けと言うのか、それは子ども達が悩み、イメージし、答えを探します。
しっかりと合意形成が成されていれば、どんな答えが出ても危険でない限りインストラクターは否定せず、子ども達の行動を見守っていきます。

こうしたことは日常茶飯時に起こります。そして子ども達は問題を何度も繰り返し解決していくことで、仲間意識、責任感、安心感が芽生え、思考能力、対話力、牽引力が身につくと共に、なにより一人のときより、楽しく、頑張れて、優しくなれて、食べるご飯も美味しくなることでしょう。
年間通して繰り返し活動することにより、同じメンバーとだからこそ、グループとして成長し、一人ひとりの心もより深く成長を与えることが出来ることでしょう。